よくある質問

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1.漢方薬の種類はどんなものがありますか?

  また、服用はどのようにするのですか?

 漢方薬には煎じ薬、エキス剤、散剤、丸剤、軟膏などの種類があります。

基本的なものは煎じ薬ですが、材料が生薬であるということは共通です。

 煎じ薬とは、土瓶などに1日分の生薬と決まった量の水を入れて加熱し、生薬の成分を抽出するように煎じて飲む湯剤です。

エキス剤とは、生薬の煎じ液から有効成分(エキス)を取り出し、水分を蒸発させて、安定性を保つためにべつに粉末(賦形薬)を加えて製剤化したものです。お湯で溶いて服用したほうが漢方薬元来の形に近く吸収しやすくなります。

散剤とは、生薬を粉末にして混合したものです。

丸剤とは、生薬を粉末にしたものに「ハチミツ」などを加えて、丸く固めたものです。

軟膏とは、ゴマ油やミツロウ等の基材と生薬を混ぜて作ったものです。

2.漢方薬に保険が利きますか? 

  院外処方せんを扱う漢方薬局(保険薬局)に、医師の処方せんを持参されれば保険が適用されますが、薬局で相談して薬をもらう場合は、自費になります。当薬局は保険薬局ですが、自費の場合、使う生薬によって違いますが、煎じ薬で1日分が600〜1000円(税抜き)位です。


 3.漢方薬の効果が出るには、どの位の期間がかかりますか?

  「漢方薬は自然治癒力を高め、体の機能のバランスを正常化させる」というのが基本ですので、効果が出てくるまでの時間は、その人の体質、病気の種類および程度によって異なります。薬に対する反応にも個人差がありますので、一概にこれ位の期間とは言えません。ただ1服で効果が出る場合もありますし、数ヶ月〜数年の時間が必要な場合もあります。

 一般的には、体力があり病気を治す働きが強い場合は効果が早く、体力が衰えている場合では時間がかかります。


4.煎じ薬はどのように煎じるのですか?また、どのように服用するのでしょうか?

  一般的な煎じ方としては、1日分の薬を土瓶又はやかん(鉄・銅製は避ける)などに入れ、水を約600ml加え、ふたをして火にかけます。沸騰する直前で、弱火(とろ火)にし、30分間煎じ詰めた後、熱いうちにカスを捨てこして、出来上がった約半量になります湯液が1日分の薬です。この薬を、2〜3回に分けて食前30分〜1時間又は食間に温かいうちに( 人肌程度 )飲みます。

 残った薬液は冷蔵庫で保存し、次回に飲む前は、温めて(電子レンジでも可)飲みます。変質を避けるため保温ポットなどでの保存や、2日分以上の作り置きはしないでください。


5.顆粒や錠剤などの漢方薬を水以外の飲みもので服用しても良いですか?

  漢方薬に限らず薬を飲む場合は、原則として水又はお湯で服用します。他の飲み物で服用した場合、薬の吸収を阻害したり、薬の成分変化に影響をしたりすることがありますので、水又はお湯以外のものでの服用は避けて下さい。

 特にお茶やコーヒー及びお酒は、薬効に影響を及ぼしやすいので、ご注意ください。



6.『証』という言葉をよく聞きますが、どういう意味ですか?

 「証」とは、漢方独特の用語で、「体調及び病態を現す症候群のまとまり」のことで、自覚症状や他覚症状、体力、体質などを集約して整理した漢方的診断です。「証」を決めるにあたり、八綱(陰、陽、虚、実、表、裏、寒、熱)、気・血・水及び五臓六腑理論というものが基準となり、「証」が決まれば、処方も決まります。


7.漢方薬は本当に副作用がないのですか?

 漢方薬は、天然の生薬で、一般的に効き目がおだやかなものが多いので、副作用はないと考えがちですが、薬である以上、副作用の可能性は否めません。

 しかし、副作用が出ないような工夫しているのが、漢方薬の独特の使い方で、各個人の体質・病態に基づいて、漢方的な独自の診断により「証」を見極めて、処方を選ぶので、副作用が起こりにくいのです。

 また、生薬(薬草)単品ではなく何種類もの生薬を組み合わせて『処方』という形にするのは、組合わせることでお互いの作用を増強したり、副作用を減弱できるからです。

 一方、「証」を無視し、使い方を間違えたために生じた様々な不快な症状は、副作用と言うより誤診誤用と言えるかもしれません。

 副作用は、薬を正しく服用していても起こることがありますから、もし薬を飲んだ後、病状が悪化したり、何らかの変わった症状が現れたりしたら、服用を中止し、すぐに漢方専門の医師や薬剤師に相談してください。


 

8.西洋薬や他の漢方薬を併用してもいいですか?

  漢方薬は対症療法というより、「自身の自然治癒力を高める」ことが基本であり、治療理論や成分が異なりますので、最近、西洋薬に漢方薬が併用されることも多くなりました。併用することによってお互いの長所を生かし、短所を補って,より効果的な治療が期待される場合が少なくありません。

 但し、小柴胡湯とインターフェロン製剤との併用のように併用が禁じられている場合もあります。

 複数の漢方薬を同時に服用する場合は,相互作用によって薬効が増強したり、逆に減弱するなど必ず漢方の知識がある人に相談してください。

 また、漢方薬の服用により、病院の薬を急に止めてしまう人がいますが、薬によっては危険な状況を引き起こしかねない行為ですので、自己判断による服薬中止は絶対に止めてください。。

 以上のことより、漢方薬を服用するときには、現在服用している薬や薬の説明書などを持参の上、相談してください。


 

9.漢方薬はどんな病気に効きますか?

  漢方では、全ての病気は体の歪み(陰陽のアンバランス)が起こした結果と考え、独自の医学理論に基いてその人の状態や症状を重視して処方を決めます。病名は参考にはしますが、病名によって薬を決めるわけではありません。身体に備わている自然治癒力を高めてバランスが崩れていたものをよくします。ですから、漢方薬は、「緊急処置・手術の必要度が高い病気」を除いた全ての病気に対応できるといえます。

 特に下記のような病気によく使われます。

 

虚弱体質。 

アレルギー性の疾病(鼻炎、喘息、アトピーなど)。 

神経症、不定愁訴(自律神経失調症、更年期障害など)。 

検査で異常はないのに自覚症状のある場合。 

西洋薬で効果の乏しい場合或いは副作用が強い場合。 

 

 特に西洋医学では適当な薬がなく、「様子を見ましょう」と言われて、

薬がない場合でも、漢方では大抵の場合、体調や症状に適合する薬がありますのでぜひご相談ください。


10.自分の薬を家族(あるいは他人)に飲ませてもよいですか?

  家族或いは他人に自分と似ている症状がある場合、

 自分に良く効いたからと、同じ薬を飲ませるのは慎重にしなければなりません。症状が似ていても「証」が異なる、つまり体質や病態の実質が異なる場合では、自分にはよく効いた薬でも、効果がなくなったり、逆に症状が悪化する可能性もあります。

 必ず相談して、その人に合う処方を選んでもらうことをお薦めします。


11.漢方薬は小児でも服用できますか?

  漢方薬は、一般的には3歳以上でしたら服用できます。

服用の薬量は年齢と体調にあわせて減量します。

顆粒状の薬は、お湯で溶いて飲ませてください。

どうしても飲みにくい場合は水飴をからませて服用させてもいいです。

服用後は水で口をすすいであげるなどしてください。


12.妊娠中、授乳中に漢方薬を服用しても大丈夫ですか?

  妊娠中の女性の身体は、胎児形成、成長の環境を作るために、さまざまな変化をしているので、、普段の状態とは異なり、薬が母体や胎児へどのように影響するのか判断が難しく、服薬は慎重にする必要があります。

 妊娠中に避けるべき生薬としては、大黄、芒硝、紅花、桃仁、牡丹皮、

牛膝、附子など、流早産などの危険性のあるものが挙げられます。

 また、授乳中では、大黄の成分が乳汁中に移行し、赤ちゃんに下痢を起こさせる可能性があります。

 一方、漢方薬の服用で、流早産の危機の回避や、つわりを軽減したり、風邪などの一時的な疾病で、西洋薬を使えない時或いは使いたくない時などにも対応できる場合が少なくありません。

 ですから、妊娠中、授乳中の服薬は必ず相談してください。

 

© K.K 布施本町薬局 2014
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